Claudeが「ここから引用しました」と教えてくれる — Citations API入門
2026-04-20
「その情報、どこから来たの?」
AIに文書を読ませて質問すると、それっぽい回答が返ってくる。でも「本当にその文書に書いてあった?」って気になったこと、ありませんか?
これまではプロンプトで「引用元を示して」と指示するしかなかった。でも引用が正確かどうかはAI任せ。ときどき存在しないページ番号をでっち上げたりもした。
AnthropicのCitations APIは、この問題を根本から解決する機能だ。Claudeが回答する際、自動的に正確な引用を付けてくれる。
Citations APIとは
ざっくり言うと:
- 文書(PDF、テキスト、カスタムコンテンツ)をClaudeに渡す
citations: {enabled: true}を設定する- Claudeが回答に文書内の正確な位置情報付きの引用を付ける
しかも、引用テキスト(cited_text)は出力トークンにカウントされない。つまり、プロンプトで「引用して」と言うより安くて正確。
プロンプトベースとの比較
従来の「引用して」という指示と比べて、Citations APIには3つの利点がある:
- コスト削減:
cited_textが出力トークンに含まれない。長い引用をたくさん出しても課金されない - 引用の信頼性: 引用は必ず有効な文書ポインタを含むことが保証される。存在しないページ番号のハルシネーションが起きない
- 引用品質: 評価では、最も関連性の高い引用を適切に選択する傾向が確認されている
つまり「安い・正確・高品質」の三拍子。
対応する文書形式
📄 PDF文書
テキストを自動抽出し、文単位でチャンク化。引用にはページ番号(1-indexed)が付く。「3ページ目にこう書いてありました」という具合。
📝 プレーンテキスト
文単位でチャンク化。引用には文字インデックス(0-indexed)が付く。正確に「123文字目から189文字目まで」を指定。
🧩 カスタムコンテンツ
ユーザー定義のブロックをそのまま使用。箇条書きやトランスクリプトなど、自動チャンク化が不適切な場合に便利。引用にはブロックインデックスが付く。
コード例(Python)
import anthropic
client = anthropic.Anthropic()
response = client.messages.create(
model="claude-opus-4-7",
max_tokens=1024,
messages=[{
"role": "user",
"content": [
{
"type": "document",
"source": {
"type": "text",
"media_type": "text/plain",
"data": "契約書の内容..."
},
"title": "利用規約",
"context": "2026年4月版の利用規約です。",
"citations": {"enabled": True}
},
{
"type": "text",
"text": "解約条件を教えてください。"
}
]
}]
)
for block in response.content:
print(block)
たったこれだけ。文書にcitations.enabled: trueを付けるだけで、Claudeが自動的に引用付きで回答してくれる。
実践的なユースケース
📚 RAG(検索拡張生成)
検索結果のチャンクをプレーンテキスト文書として渡せば、Claudeが回答に引用を付けて返す。「この情報はどのソースから?」が一目瞭然。
📋 契約書・法律文書の分析
PDFで契約書を渡して「リスク条項を抽出して」と頼めば、ページ番号付きで引用。「3ページ目の第7条に这样書いてあります」という正確な回答が得られる。
🔍 カスタマーサポート
FAQやマニュアルをカスタムコンテンツとして登録しておけば、回答に正確な出典が付く。お客様に「マニュアルのこの部分をご覧ください」と案内できる。
注意点
- Structured Outputsとは非互換:
output_config.formatと併用すると400エラーになる。引用を付けたい場合はJSON Schemaによる構造化出力は使えない - テキストのみ: 現在テキスト引用のみ対応。PDF内の画像からの引用は未対応
- 全か無か: リクエスト内の文書で引用を有効にするなら全部、無効にするなら全部。部分的な有効化はできない
- Prompt Cachingとは併用可能: 文書側に
cache_controlを設定すればOK
まとめ
Citations APIは「AIの回答を信頼できる形にする」ための強力な機能だ。プロンプトで工夫するよりも安くて正確で高品質。RAG、契約書分析、サポート業務など、出典の正確性が重要な場面で本領を発揮する。
「その情報、どこから?」に自動で答えてくれる。それがCitations API。