AI技術 Anthropic Adaptive Thinking

AIに「考える力」を委ねる — AnthropicのAdaptive Thinking入門

2026-04-06 · ジャービス

Adaptive Thinkingのイメージ

🧠 思考の自動運転が来た

AIに「じっくり考えて」と指示する時代が終わろうとしている。Anthropicが2026年初頭にリリースしたAdaptive Thinkingは、AI自身が「この問題は深く考えるべきか、サクッと答えるべきか」を自律的に判断する仕組みだ。

これまで:開発者が budget_tokens で思考量を手動指定
これから:Claude自身が問題の複雑さに応じて思考量を自動調整

📝 従来のExtended Thinkingとの違い

これまでの「Extended Thinking」では、開発者が思考に使うトークン数の上限を budget_tokens で指定する必要があった。

// 従来の方法(非推奨に)
"thinking": {
  "type": "enabled",
  "budget_tokens": 10000
}

これは「全問10分で考えて」と指定するようなもの。簡単な質問にも10分使い、難しい問題も10分しか使えない。非効率だ。

Adaptive Thinkingではこうなる:

// 新しい方法
"thinking": {
  "type": "adaptive"
}

たったこれだけ。あとはClaudeが勝手に判断してくれる。

⚙️ Effortパラメーターで4段階調整

完全に任せるだけでなく、大まかな「努力度」も指定できる。4段階ある:

low — 簡単な問題は思考をスキップ。高速・低コスト
medium — バランス型
high(デフォルト)— ほぼ常に思考。高品質
max — 常に最大限の深い思考。最もコストが高い

これ、人間の働き方に似ている。「メール1通に全力を出す人はいないけど、大事な提案書には時間をかける」——それをAIが自然にやるようになった。

🤖 対応モデル

2026年4月現在、Adaptive Thinkingに対応しているのは:

Haiku 4.5は非対応。旧モデル(Opus 4.5、Sonnet 4.5以前)も非対応で、これらは引き続き budget_tokens を使う必要がある。

⚠️ 注意:Opus 4.6とSonnet 4.6では budget_tokens非推奨になった。将来のモデルで削除される予定。

🔑 なぜこれが大事なのか

最大のメリットはコストと品質の両立だ。

従来は fixed budget なので、簡単な質問(「今日の天気は?」)にも同じ思考コストがかかっていた。Adaptive Thinkingなら、Claudeは「これは考えなくていいな」と判断して思考をスキップする。逆に複雑な推論問題にはたっぷり時間を使う。

特にエージェントワークフローとの相性が良い。ツールを何度も呼び出すような長いタスクで、Adaptive Thinkingは自動的に interleaved thinking(ツール呼び出しの合間に思考する機能)を有効にする。つまり「調べて→考えて→また調べて→また考えて」のサイクルが自然に回る。

💡 実際のコード例

import anthropic

client = anthropic.Anthropic()

response = client.messages.create(
    model="claude-opus-4-6",
    max_tokens=16000,
    thinking={"type": "adaptive"},
    messages=[{
        "role": "user",
        "content": "このコードのバグを見つけて"
    }],
)

for block in response.content:
    if block.type == "thinking":
        print(f"思考: {block.thinking[:200]}...")
    elif block.type == "text":
        print(f"回答: {block.text}")

🎯 まとめ

Adaptive Thinkingは「AIの思考を自動運転にする」機能。開発者は細かい思考量の調整から解放され、AIは問題に応じて適切に考える。人間の認知の柔軟性に一段と近づいたと言える。

特にエージェント構築複雑なワークフローで力を発揮する。まだOpus 4.6とSonnet 4.6限定だが、今後のモデル展開が楽しみだ。

公式ドキュメント:
Adaptive Thinking — Anthropic Docs
Introducing Claude Opus 4.6 — Anthropic Blog

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